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執筆者の写真Nakamura Mineo

北海道食文化研究会~発酵と熟成~


平成29年9月20日 

北海道大学農学部で開催されました。

タイトルは

「発酵と熟成」で味がどうなる? 農産編

講師は二人とも農学部出身。


食文化は、その地域に合った自然の恵みの保存が基本になっているかと思います。

特に冬は食料の確保が難しく塩やスパイスを自然の防腐剤として使ったり、夏場の食中毒に対しては和食の薬味(紫蘇など)や食器代わりに笹が使われたのだと思います。また漢方にも、生薬(薬草)が新しくないといけない物(フレッシュ)としばらく寝かしたもの(エイジング)とがあります。例えば新しいのが良いものに、紫蘇、ハッカがあります。古いものが良いのは、七味唐辛子の中にも使いますミカンの皮(陳皮)があります。これはエイジングする事で揮発性の精油成分(刺激が強い物)が抜けて使いやすくなるからです。

また発酵は、タンパク質がアミノ酸に分解され旨味が増える調理法でもあります。もちろん、消化しやすい様にもなります。

そんな話を期待したのですが・・・・

農学部の基本的なテリトリーは、畑からヒトの口、舌の上までになります。

ですが、農作物に詳しい農学ですから農作物の栄養から機能性の問題まで聞けるものと勘違いされることが多いです。今回も食中毒、O157の話しがでましたが、植物が汚染されないような管理は農学部でよろしいのですが、実際に人の予防等は、薬学部などの医療系がメインになります。

薬学部は、ヒトの皮膚、口の中から消化器系、そして吸収されて身体にどう作用するのかまでが担当になります。場合によりましては、生薬学がありますので、畑からの農学部までカバーしてしまいます。

農学部の植物学と薬学部の生薬学の違いですが、基本は生薬学は、生物に対しての作用を研究する植物学で、2次代謝生産物、もしくはファイトケミカルとも云われる学問になります。農学部は、タンパク質、炭水化物など5大栄養素を中心とする学問です。(今回も小麦のタンパク質の含量や性質を中心の話しでした)

今回のテーマの味、もしくは風味は、動物にとって生存の基本的な安全装置になります。ですから、体調が悪い、病気をしている、クスリやサプリメントを飲んでいる状態では、正確に味や匂いを感じる事は出来ません。ですから料理人は健康の自己管理が難しい人も多く、味や料理にブレが発生します。


料理は、薬学部の製剤、薬剤学とも関係があります。

お年寄りの誤嚥性肺炎を起こさない様にトロミをつけた料理の基礎もこの分野になります。また今注目されていますガストロノミーは、完全に薬学のテクニックを使っての料理になります。

食の分野で話が出来る薬学部の人が少なく残念です。

食の分野の発展には、農学と薬学の連携が重要な時期に来ているかと思います。


<お問い合わせ先> 札幌市白石区南郷通7丁目北5-1 駐車場有 有限会社  中村薬局    011-861-2808 http://conaka2.wix.com/nakamurayakkyoku ☆野菜・果物、調理法について詳しく知りたい方☆ は「マカリイズマーケット 青果部 https://www.facebook.com/MaccaLisMarket/

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