一般的に病院の治療だけで思うように結果が出ない事があります。
その代表が、RA(慢性関節リウマチ)かと思います。
朝に手の指の強張りと痛み、そして関節の変形が特徴で、痛み止めを使っても思うように痛みや関節の変形がコントロールできない患者さんを見ます。
そこで、バイオインフォマテックス(生命情報科学:生命科学と情報科学の融合)を使って説明をします。
遺伝子オンコロジー解析(GO解析)、つまり発現変動遺伝子に基づく化合物の類似性や化合物群と発現変動遺伝子の相関を見ていきます。
関節リュウマチの漢方薬で有名な桂芍知母湯を例で見てみますと、今現在判っています化合物が桂芍知母湯の中に637の成分あります。その中で遺伝子に作用する成分が147の成分で1327の遺伝子との関係が判っています。
そして、関節リュウマチ疾患に関与する遺伝子が、675種類の遺伝子が判っています。
桂芍知母湯の遺伝子に関与する147の成分の中で93の成分が関節リュウマチの遺伝子、134種類の遺伝子に関与しています。
(Huang L.et al.,Scientific Reports,6,22602,2015)
GO解析による桂芍知母湯が直接、関節リュウマチ疾患に関与する134の遺伝子には
*腫瘍壊死因子11(TNFSF11)、IL-18等
*免疫応答に関わる遺伝子(T細胞やリンパ球の分化、リンパ球の活性化、免疫応答の制御に関わる免疫系の遺伝子群など)
がありますし、
直接ではないけど間接的に桂芍知母湯は、1193の遺伝子が免疫系を活性化しています。
では、病院で使われる抗リュウマチ薬は30種類あります。
これも同じくGO解析をしますと、30種類の抗リュウマチ薬で、79の遺伝子に関与し、その中の21遺伝子が関節リュウマチに関係します。
桂芍知母湯だけで関節リュウマチに134の遺伝子に関与するのですが、病院で使っています30種類の抗リュウマチ薬全部で21の遺伝子にしか関与しません。
また、桂芍知母湯と重複するのは、7つの遺伝子だけです。
まとめますと
関節リュウマチ疾患に関わるとされる遺伝子は、桂芍知母湯化合物モデルは30種類の抗リュウマチ薬の約9倍の関節リュウマチ疾患遺伝子を変動します。
関節リュウマチ疾患に関わらない遺伝子については、桂芍知母湯化合物モデル(1203遺伝子)30種類の抗リュウマチ薬の約29倍の遺伝子を変動し、桂芍知母湯の化合物群は30種類の抗リュウマチ薬の標準遺伝子よりも代謝経路上、上流にある遺伝子群をも変動します。
慢性関節リウマチに使います、桂芍知母湯を例に説明をしましたが、他にも関節リュウマチに使います漢方薬の種類も沢山あります。
病院の治療と漢方薬を併用します時には、専門家にご相談の上、リスク管理をしながらされます事をお勧めいたします。
<お問い合わせ先>
札幌市白石区南郷通7丁目北5-1
有限会社 中村薬局
認定薬剤師/臨床薬剤師 中村峰夫
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