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執筆者の写真Nakamura Mineo

JR北海道 車内誌 2021年6月 400号









JR北海道 車内誌

2021年6月号 400号記念誌

特集

 「勇払原野ハスカップ紀行」

 ~奇跡の果実を分かち合う~



ハスカツプにはカルシウム、鉄分、ビタミンCが豊富で、日にいいアントシアニンもたっぷり含まれていることは、従来から知られていた。

さらなる機能性を研究しているのが、札幌市内で薬局を営む中村峰夫さんだ。中村さんは、認定薬剤師の立場から厚真町のハスカップを応援している。「体内の活性酸素の発生を抑える抗酸化作用をもたらすポリフェノールがブルーベリーの五倍以上も含まれているんです。ハスカップは生薬学では感染症に使われることで有名なスイカズラ科の植物です。植物は、細菌やウイルスから身を守る成分を作りますが、それが一番得意なのが、ハスカップが属するスイカズラ科なのです。人間はそれを使わせてもらつて免疫力を高めることができます」。中村さんによると、ハスカップが持つ抗糖化作用は、不要な糖とタンパク質が結びついて起きる老化物質の生成を抑え、動脈硬化や糖尿病、シミ、シワを防いでくれるそうだ。抗肥満作用もあり、動物実験で血中脂質、内臓脂肪の増加抑制が見られたという。また、歯周病菌が作るバイオフィルムに有効に働きかけて歯周病を予防してくれることも。歯周病を改善すると口中の細菌数が減り、誤嚥性肺炎、心筋梗塞、脳梗塞、糖尿病などのリスクが下がるとされている。女性ホルモンレセプター(受容体)を活性化させる働きもあるそうだ。「薬は単一の成分をピンポイントで効かせますが、植物はいろんな成分が集団で戦いますから、耐性菌もできにくいのです。復興支援の恩返しに、厚真町産ハスカップで健康に貢献できれば、産業振興にもつながるのでは」。

奇跡の果実は、さまざまな分かち合いの心に支えられて、新しい時代を生きている。


<お問い合わせ先>


札幌市白石区南郷通7丁目北5-1

認定薬剤師/臨床薬剤師 中村峰夫

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