AGEとは終末糖化産物(Advanced Glycation End Products)
「タンパク質と糖が加熱されてできた物質」の事です。
ヒトの加齢現象や健康に関わる物質として、近年研究が進んでおります。
遺伝子は、基本、タンパク質を作る設計図です。そのタンパク質で、身体の血液や血管、脳や心臓、目などの臓器も創りますし、もちろん、肌や髪の毛や爪もタンパクがメインで作られます。
そのタンパクが、過剰の糖が引っ付き、AGEを発生させてしまい、老化との関係も解明されてきました。
私は、北海道薬科大学と共同研究を行い、厚真産ハスカップで抗糖化作用がある事を
2017年 北海道薬学大会で発表致しました。
高橋拓也、渡邊さおり、渡辺 楓、若命浩二、小松健一、中村峰夫 (北海道薬科大学と共同研究)
厚真産ハスカップ水エキスの抗肥満効果の検討
第64回北海道薬学大会、2017, 5, 20-21、札幌
その後の厚真産ハスカップの抗糖化作用の研究結果を
2018年 日本薬学大会 金沢で発表
高脂肪食摂取肥満モデルマウスに対する厚真産ハスカップ水エキスの効果
○髙橋 勇希1, 高橋 拓也1, 渡邊 さおり1, 若命 浩二1, 小松 健一1, 中村 峰夫2(1北海道 薬大, 2中村薬局)
【目的】ハスカップはアイヌ民族が「不老長寿の実」として利用していた果実で、ビタミン C、 カルシウム、鉄、ポリフェノール(PP)が含まれていることが知られている。ブルーベリーな どに比べ、強い抗酸化作用効果を有するアントシアニンが豊富に含まれており、健康食 品素材として活用が期待されている。今回、高脂肪食摂取肥満モデルマウスを用いて厚 真産ハスカップエキス(HE)抗肥満作用について検討した。PP 含量、抗酸化力、抗糖化 作用についても検討した。
【方法】マウスを、1 群 5-6 匹を用い 4 群とした。2 群に水を自由摂取させ、2 群に HE を 水に 1%の濃度で懸濁したものを自由摂取させた。それぞれの摂取群の一方に普通食 (3.85kcal/g)を一方に高脂肪食(5.24kcal/g)を摂餌させた。週 2 回、体重、摂餌量、摂 水量を測定した。43 日目に麻酔下で、後大静脈より採血後、肝臓と脾臓を摘出した。血 液は血清としたのち-80℃で保存した。血清は総コレステロール、トリグリセライド、遊離脂 肪酸、LDL コレステロール、HDL コレステロール、総ケトン体の測定を行った。
【結果・考察】PP 含量(没食子酸相当量)は乾燥エキス中に 21.8%、抗酸化活性は乾燥エ キス 1g 当たりの Cu還元力に換算すると 7.51mmol/g であった。グリセルアルデヒドによる コラーゲンゲルの糖化に対する抗糖化作用は用量依存的に阻害を示し、終濃度 1mg/mL で 98.4%の阻害を示した。水+普通食摂取群では総摂取カロリーは 424 kcal/匹、 水+高脂肪食群では 580 kal/匹であり 1 個体あたり+156 kcal の差があった。これに伴い 水+普通食群と比べて水+高脂肪食群では有意な体重増加が認められた。HE 投与によ りこの体重増加は有意に抑制された。また、HE 投与により、トリグリセライド、コレステロー ルの上昇が有意に抑制され、LDL/HDL 比は水+高脂肪食群では 0.909、HE+高脂肪 食群では 0.726 となり、脂質代謝が改善されていた。
スイーツでハスカップが使われることが多いですが、この点においても、AGEの発生を抑制する抗糖化作用が期待されます。
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